散策の起点にも帰り道にもなる店
加茂山公園を歩く前後に、ちょうどいい立ち寄り先がある。うのもりやは加茂市仲町2-2にあり、商店街と公園のどちらからも足を運びやすい。1階には売場に併設したティールームがあり、坪庭を眺めながら手作りケーキとコーヒーで休める。歩き疲れた体を落ち着けるにも、買い物の合間に一息つくにも向いている。
この店の営業は朝9時半から夕方18時半まで、日曜と祝日は18時まで。水曜が定休日で、駐車場は12台分ある。車で訪れる人も、公園帰りに歩いて立ち寄る人も、それぞれの都合で使える構えになっている。
一枚の煎餅から季節の菓子まで
うのもりやの棚には、加茂を代表する菓子が並ぶ。「カルルス煎餅」は明治41年の全国特産品博覧会で受賞した銘菓で、北海道のカルルス温泉にちなんで名付けられた。手焼きの伝統を守りながら、程よい甘さと軽い口当たりに仕上げられ、1袋5枚入り154円で手に取れる。
季節限定の菓子もある。「雪とけ」はまん丸のブッセにチーズクリームを挟んだ一品で1個162円、要冷蔵のため夏季の7月から9月中旬は店頭から外れる。天然100%の果汁で作る「葡萄羹」「無花果羹」、加茂市文化財の長唄「後ろ面」の狐面をかたどった煎餅など、選ぶ楽しみが並ぶ。うのもりやの創業は江戸時代の寛政年間、1789年から1801年まで遡り、9代目の山内美恵子さんが暖簾を守っている。
買い物の先にある美術とワイン
うのもりやが面白いのは、菓子を買うだけで終わらない点だ。地下に降りればワインカーブが広がり、フランスをはじめ世界各国の手頃なワインが並ぶ。加茂の地酒や輸入品、贈答品まで扱うため、目的の違う客がそれぞれの棚に向かう。
2階の吹き抜け部分は回廊の常設ギャラリーになっていて、奥の画廊「山内堂」では不定期に美術品の展示が開かれる。菓子と喫茶、ワイン、美術がひとつの建物に収まる作りは、散策のついでに立ち寄るだけでは惜しいほどの奥行きを持っている。


