木を余さず使う、というピザ店の選択
ピザ店が環境への配慮を前面に打ち出す例は、そう多くありません。横浜市旭区の二俣川エリアにあるPIZZA Gran-Boisは、その数少ない一軒です。焼成に使うペレット窯は、木の端材を圧縮して作ったペレットを燃料にしています。端材を燃やすことで木を余すことなく活用でき、地球環境へ配慮しながら一枚ずつ焼き上げるという運営方針が、この窯の選択にそのまま形になっています。
環境への配慮は、味や価格とも矛盾しません。ペレット窯は薪窯と同じ550℃近い高温に達し、薪窯のような香ばしい焼き目を生みます。しかも薪よりも燃料費を抑えられるため、その分をピザの価格に反映できます。25cmのマルゲリータが1,200円で提供できる背景には、こうした窯選びの判断があります。
生地を使い切る日々の工夫
無駄を出さない姿勢は、窯だけにとどまりません。PIZZA Gran-Boisでは、その日の営業で使い切れなかったピザ生地をパニーニに仕立てて販売しています。捨てるのではなく別の商品に変えるこの工夫が、食品ロスの削減につながっています。発酵がさらに進んだ生地は小麦の香りや甘みが深まり、もちっとした独特の食感が生まれるため、余りものという言葉からは想像しにくい一品に仕上がります。価格は500円です。
生地そのものへのこだわりも、この工夫を支えています。使うのはイタリアのカプート社の小麦粉で、冷蔵庫で数日間低温熟成させ、ポーリッシュ法という長時間発酵で仕込みます。丁寧に作った生地だからこそ、最後まで使い切りたいという発想が自然に出てくるのだと感じました。
地域に根ざす店としての全体像
PIZZA Gran-Boisが目指しているのは、二俣川周辺の人々に愛される店です。その姿勢は地産地消というテーマにも表れていて、横浜の野菜をたっぷり使ったオルトナーラは、近場の野菜ならではの新鮮さを味わえる一枚になっています。ファミリー層にも一人暮らしの人にも使いやすいよう、ピザは食べきりやすい25cmサイズで統一されています。
店は16号線沿いの川井宿町交差点から歩いて2分ほどの場所にあり、テイクアウト専門として営業しています。営業時間は11時から22時、定休は月曜と第三火曜です。注文は時間指定できるモバイルオーダーが中心で、24時間受け付けています。窯の選択から生地の使い切りまで、環境や地域への視点が一本の筋として通っているのが、この店の全体像です。


