良心的な価格が、夜を気軽なものにする
上質なお酒は高い、という固定観念をBar澪は独自の仕入れルートで崩しにかかっている。問屋直結の調達によって中間コストを削ぎ落とし、その分を価格に反映させる仕組みだ。国内外から取り寄せたウイスキーや焼酎が、気兼ねなく選べる値段で並んでいる。「二杯目三杯目も普通に頼める」という声は、この価格設定への率直な評価だろう。
旬の食材を使った手づくりのおつまみも、同じ価格感覚の中で楽しめる。お酒と料理、両方が揃っているから、一晩を一店舗で完結できる。
近鉄四日市駅6分、深夜の灯りをたよりに
三重県四日市市西浦1丁目のザイテックビル2階、近鉄四日市駅から歩いて6分。この距離感が、仕事終わりや食事の後に「ちょっと一杯」を現実の選択にしてくれる。営業は火〜木が22時〜5時、金・土は20時からで、いずれも朝5時まで続く。日曜・月曜が定休で、深夜に電話をかけることも可能だ(080-8252-1966)。
全席喫煙可能な環境は、愛煙家にとって数少ない深夜の選択肢として認識されている。支払いはクレジットカードにも対応しており、手ぶらで訪れても困らない。
お酒初心者が、バーへの扉を開く場所
メニューの構成を工夫し、専門知識がなくても注文に迷わない設計にしているのがBar澪の特徴のひとつだ。お酒に馴染みのない若い世代が、夜の社交場を初めて体験する場として選ぶケースが増えているという。コロナ禍によって社交の機会を十分に得られなかった世代に向けて、人と集まり、語り合う夜の形を提供することが店の役割のひとつになっている。「バーってこんな感じか、と初めてわかった」という声が目立つのはそのためだろう。
カーテン付きのボックス席も備わっており、初来店でも周囲を気にせず過ごせる空気がある。
柴田代表の信念が、店の空気をつくっている
「バーの敷居を取り払う」という言葉を代表の柴田大介氏は繰り返し使う。コロナ禍で四日市の夜が変わっていく様子を見ながら、社交の場を再生させることに強い使命感を持つようになったという。世代や職業を問わず人が自然に集い、お酒を通じて語り合える場所——その実現を、価格設定から席の設計まで一貫して追ってきた。将来は農業分野への参入によって、食の生産から提供まで自社で完結させる体制も視野に入れている。
「代表の人柄が店の居心地に出ている」という声は、常連の間で共通しているようだ。経営者の姿勢が空間に滲み出る、そういう店がBar澪だと思う。


