水素水と北海道産素材が生む料理の骨格
創作囲座火屋 夢っ酒が仕込みの段階から徹底しているのが「水」の選定で、調理全般に水素水を採用している。雑味を抑えたまろやかな口当たりが、豚の角煮や肉じゃがといった煮込み料理に奥行きを与え、味の染み込みと軽やかさを両立させている。焼酎のお湯割りにもこの水素水を使うことで、香りの立ち方が穏やかになり、食中酒としてのバランスが整う。水という最も基本的な要素に手を抜かない姿勢が、一皿一杯の仕上がりに直結しているわけだ。
個人的に印象的だったのは、店主が自ら北海道へ足を運び、日高昆布や毛蟹、じゃがいもなどを直接仕入れているという話だ。日高昆布からじっくり引いた一番出汁は毎日仕込まれ、おでんをはじめ多くの料理の土台として機能している。濃厚でありながら後味がすっきりしており、出汁だけを飲んでも成立するほどの完成度だという声も耳にする。九州の和食処で北海道の食材がここまで存在感を持つ構成は、なかなか珍しい。
唎酒師が選ぶ大分の地酒と自由度の高い飲み方
大分県産の日本酒を軸に据えたラインナップは、純米酒・純米吟醸・純米大吟醸など銘柄の幅が広い。一合だけでなく半合から注文できる仕組みを設けており、「いろいろな種類を少しずつ試したい」という要望に応える形だ。唎酒師の資格を持つ店主が料理との相性を見極めながら銘柄を揃えているため、どれを選んでも食事の邪魔をしない一杯に出会える。好みを伝えれば、その場でおすすめを提案してもらえるので、日本酒に詳しくなくても気後れする必要はない。
焼酎は芋・麦・米の3種を中心に約12種類を用意し、大分の地元銘柄が主役を張っている。ロック、水割り、お湯割り、ソーダ割りと割り方の選択肢も細かく対応しており、銘柄ごとに合う飲み方を店主が教えてくれる。「この焼酎を置いてほしい」というリクエストにも応じて新しい銘柄を仕入れることがあり、常連客との距離の近さがメニューの更新にそのまま反映されている仕組みだ。通うたびに棚の顔ぶれが微妙に変わっている、と感じる利用者も多いらしい。
北海道「きたあかり」と大分のとり天が同居する献立
じゃがいも料理に使う品種はすべて北海道産の「きたあかり」で、産地から直接仕入れるルートを確保している。ホクホクとした食感と自然な甘みが際立つこの品種は、ポテトサラダの主役として、また丸ごと素揚げにした一品やポテトフライとして複数の調理法で展開されている。ポテトサラダの底には薄切りにして揚げたポテトが忍ばせてあり、食感の切り替えが楽しいと好評だという。ひとつの素材を何通りにも料理し尽くすアプローチが、メニュー全体に奥行きを持たせている。
大分名物のとり天は注文が入ってから揚げるスタイルで、外側の衣が軽く弾けるような食感に仕上がる。味付けをあえてシンプルに抑えることで鶏肉そのものの旨みが前面に出ており、添えられる手作りポン酢のさっぱり感が油の重さを中和してくれる。揚げ物なのに箸が止まらないという声が目立つのも納得できる構成だ。鮮魚から肉料理まで幅広く揃えているため、年齢層を問わず食べたいものが見つかる。
府内町の一軒で叶う少人数飲みと貸切宴会
大分駅から徒歩約12分、府内町に店を構える。カウンター席では調理の工程を眺めながら一杯やれるし、掘りごたつ席を選べば足を伸ばしてくつろげる。一人で静かに飲みたい夜にも、友人と軽く集まりたい週末にも対応できる間口の広さがある。全席禁煙で、チャージ料のみのシンプルな会計体系を採用しているため、支払い時に想定外の加算がない点は安心材料になる。
10名以上であれば貸切予約が可能で、飲み放題付きプランも予算や目的に合わせて組んでもらえる。プロジェクトの打ち上げや法事など用途を問わず受け入れており、旬の食材を使ったコース料理は記念日利用の注文も入るそうだ。営業は17時から23時、木曜のみ22時閉店で、日曜が定休日。平日の遅い時間帯でもゆっくり腰を据えて飲める時間設定になっている。


