山梨県産健味どりを一本ずつ備長炭で焼き上げる
ひな酉 ふじ乃が扱う鶏肉は、山梨県産の健味どり。柔らかさの中にしっかりとした弾力があり、備長炭の強い火力で焼くと表面に香ばしい焦げ目がつきながら、中はふっくらと仕上がる。串は一本ずつ手打ちで仕込み、焼き上がった順にそのまま提供するスタイルを採っている。盛り合わせにしない理由は明快で、温度と香りが最も立っている状態で届けるためだ。
ふりそでやソリレスなど、一般的な焼き鳥店では見かけにくい希少部位がメニューに並んでいる点は個人的に印象的だった。部位ごとの脂の乗り方や食感の違いを楽しめるよう、仕込みの段階で状態を細かく見極め、焼き加減を一本ずつ調整しているという。常連客の間では「同じ部位でも日によって微妙に味が違うのが面白い」という声が目立つ。素材の状態に合わせた焼き方が、その日限りの一本を生み出している。
昭和の空気が残る33席のくつろぎ空間
全33席のうちカウンターが7席。カウンターに座ると、備長炭の上で串が焼かれる音や立ち上る煙を間近に感じられる。テーブル席は席同士の距離や視線の向きに配慮した配置で、周囲を気にせず過ごせるよう設計されている。昭和を思わせる木目調の内装が、店全体にどこか懐かしい居心地のよさを生んでいる。
一人で静かに晩酌したい夜にも、仲間と賑やかに過ごしたい場面にも対応できる懐の広さがある。実際、平日のカウンターでは仕事帰りに一人で焼き鳥と日本酒を楽しむ常連の姿が多く、週末になるとグループ利用が増えるという。席の配置が自然と使い分けを促す構造になっているため、混雑する時間帯でも居心地が損なわれにくいと感じる利用者も多い。落ち着いた灯りの下で串の香りに包まれる時間は、食事そのものの記憶を濃くしてくれる。
日替わりおばんざいと銘酒が生む食卓の奥行き
季節の食材を使ったおばんざいが日替わりで登場し、来店するたびにメニューの顔ぶれが変わる。その日の気温や仕入れに応じて内容を決めるため、同じ週に足を運んでも前回とは違う一皿に出会える仕組みだ。焼き鳥の合間に箸を伸ばすと、味の流れに変化が生まれて食事全体のリズムが整う。彩りや温度感まで意識して組み立てられた小皿は、酒の肴としても食事の締めとしても機能する。
日本酒は定番銘柄に加えて日替わりで数種類を入れ替えており、華やかな香りのタイプからすっきりした余韻のものまで幅広く揃う。生ビール、ハイボール、焼酎のラインナップも厚く、飲み放題メニューも用意されている。「おばんざいと日本酒の組み合わせを店主に相談すると、毎回違う提案が返ってくる」という声もあり、通うほどに楽しみ方の幅が広がっていく店だ。季節限定の一杯と旬の小皿が重なる瞬間は、このカウンターならではの体験になっている。
三鷹駅北口徒歩2分・年中無休の営業体制
JR三鷹駅北口から徒歩約2分。駅を出てすぐの距離にあるため、天候に左右されず足を運びやすい立地だ。月曜から土曜・祝前日は17時から24時まで営業し、料理ラストオーダーは23時、ドリンクは23時30分。日曜・祝日は17時から23時で、料理22時・ドリンク22時30分がラストオーダーとなる。
年中無休で営業しているため、急に予定が空いた夜でも立ち寄れる安心感がある。予約優先での案内を行っており、来店時間が決まっていれば事前に連絡を入れるとスムーズに席へ通してもらえる。支払いは現金のほかクレジットカード、QRコード決済、電子マネーに対応。仕事帰りのふらっとした一杯にも、週末の計画的な外食にも使い勝手のよい一軒だ。


