定食SAKABAとも家|旬の海鮮と石川の地酒で紡ぐ、金沢の食卓

北陸の海が育てた素材を、丼や刺身で味わう一軒

近江町市場駅から歩いて約2分。観光の合間にふらりと立ち寄れるこの距離感が、定食SAKABAとも家を訪れる人の背中を押している。北陸近海で揚がった魚介を中心に据え、刺身・海鮮丼・揚げ物と調理法を変えながら旬を皿の上に落とし込む。冬場の本ズワイガニ、通年で登場するのどぐろなど、金沢を象徴する食材がカジュアルな定食屋の値段で食べられる点は見逃せない。

個人的には、盛り付けの華やかさが印象的だった。写真映えを狙っているというより、素材の色味を活かして自然に組み立てている感じがする。海鮮丼ひとつとっても切り付けや配置に職人の手癖がにじんでいて、運ばれてきた瞬間に箸を持つ手が動く。こうした見た目の仕上げまで含めて「食事の時間」として設計しているのだろう。

金沢おでんと20種超の定食が並ぶ昼と夜

じっくり引いた出汁を具材の芯まで含ませた金沢おでんは、地元客がカウンターで黙々と食べている姿をよく見かける一品。観光客向けの目玉料理という位置づけだけでなく、日常使いの酒肴として根を張っているあたりに店の性格が出ている。定食のバリエーションは20種類以上あり、魚だけでなく地元野菜を取り入れたメニューも並ぶ。昼は定食屋、夜は居酒屋と、時間帯で顔を変える営業スタイルが来店の間口を広げている。

「ランチで来たら夜も気になって再訪した」という声が目立つ。1,000円台で海鮮定食が食べられる昼の価格帯と、酒と肴をゆっくり楽しむ夜の雰囲気は、同じ店とは思えないほど空気が変わる。定食SAKABAとも家という店名が示すとおり、定食と酒場を一軒で行き来できる構造そのものがリピートの動機になっているようだ。

石川の地酒8種以上と加賀棒ほうじ茶割

料理との組み合わせを基準に店主が選んだ石川県産の日本酒が、常時8種類以上カウンターの向こうに控えている。季節ごとに銘柄が入れ替わるため、同じ酒が次に来たときにはもうないということも珍しくない。のどぐろの刺身に辛口の純米を合わせたり、金沢おでんにぬる燗を添えたり、料理と酒の距離が近い店だからこそ成立する飲み方がここにはある。

加賀棒ほうじ茶割という金沢らしいご当地ドリンクも用意されている。ビールやハイボール、焼酎、ソフトドリンクまでカバーしているため、アルコールを控えたい同行者がいても選択肢に困らない。「お酒が飲めない友人と一緒でも気兼ねなく過ごせた」と感じる利用者も多いと聞く。

貸切対応からひとり飲みまで受け止める空間設計

カウンター席はひとりでも気負わず座れる距離感で、隣との間隔にもゆとりがある。一方で貸切予約や飲み放題付きコースにも対応しており、宴会や記念日など人数が増える場面でも柔軟に受け入れる。兼六園や金沢城が徒歩圏内という立地を考えれば観光価格になってもおかしくないが、定食SAKABAとも家は地元寄りの値付けを崩していない。

観光エリアのど真ん中に位置しながら、地元の常連が普段使いする店として機能している事実は、価格と料理の両面で地域に根を下ろしている証拠だろう。週末の夜には満席になることも多いため、貸切や大人数の利用は早めの予約が無難。ふらりと入ってカウンターで一杯、という使い方が一番この店の空気に合っている気がする。

金沢市 居酒屋

ビジネス名
定食SAKABAとも家
住所
〒920-0917
石川県金沢市下堤町34−2
アクセス
近江町市場駅より徒歩約2分
TEL
076-213-6880
FAX
営業時間
月曜日~水曜日・日曜日10:00~22:00(料理L.O.21:30/ドリンクL.O.21:30)
金曜日・土曜日10:00~23:00(料理L.O.22:30/ドリンクL.O.22:30)
定休日
木曜日
URL
https://t-s-tomoya.com